恋愛エッセイ心の傷


痴漢の恐怖


高校1年の冬、どこに行った帰りか忘れたが、夕方京成船橋駅で降りた。

人はいっぱいいた。

それなのに、いきなり後ろから口を塞がれ持ち上げられた。(私は小柄)

びっくりして声もでない。<てゆか、口ふさがれててどっちみち出なかったんだが。

やっと振り向くとお酒に酔った気持ち悪いおじさんで、耳に赤鉛筆をさしている。

競馬の帰りらしい。

おじさんは酔って足がふらふらだったが、力は強く振り切れない。

だって地面に足が付いてないのに、力なんか入らない。

口を塞がれているので、助けも呼べない。

助けなんか呼ばなくたって改札の目の前。

人はいっぱいいるのに、誰も助けてくれようとはしなかった。

おじさんは競馬で勝ったらしく上機嫌。

ポケットに万札がいっぱい詰め込まれていて、その中から何枚か出して私のシャツの胸ポケットにつっこんだ。

「5万でいいだろ」

と耳もとで言われてぞぞぞぞぞーーーーー。

おじさん油断したのか、一瞬手が弛んだのですかさず振り解きポケットの5万(かどうか知らないが)を破って風にとばした。

おじさんが「あっ」とお札を追い掛けようとしたスキに、猛ダッシュで逃げた。

あんなに怖い思いをした事はない。

Tシャツの上に体型の出ないだぶだぶのシャツと、ジーンズという色気のない格好だったのに、もう運が悪いとしか言い様がない。

私の顔だって見ていなかったはず。

なんで私がたった5万で、あんな臭いおじさんの相手をしなきゃいけないんだ。

あとで友達に

「もったいない、金持ったまま逃げればよかったのに」

って言われたが、お金が飛んで行かなかったら逃げられなかったよ。

少女がさらわれそうになってるってのに、だーれも助けてくれないんだから!(怒)

物語だったらここで、王子様登場なんだけど、現実はつらい。(涙)

援助交際も今と比べれば高かったかもですね。

今は2万が相場だってニュースで言ってました。

遊んでくれる女子高生いっぱいいるもんね。

でもあれだけ汚いおじさんじゃ、誰も遊んであげないだろう。

1億くれるって言われてもお断りだわ。

……って今こんな事言っても、逆にこっちがお断りだって言われるだけか。

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